【まとめ】開催中の暑さ問題

概要


2020年東京オリンピックの大会期間中(7月24日~8月9日)における猛暑に対する対策や、その開催期間を設定した経緯・責任などの問題点について取り扱うものである。

 

気候について


前提として、7月下旬から8月上旬というのは、一年で一番気温の高い時期である。

さらに東京における最高気温35℃以上の日数が年々増加しており、都内においては2018年、観測史上初めて40℃超えを記録している。 

 

想定される影響


リスク

猛暑によって選手のみならず、観客・ボランティアなど多く関係者がの危険に晒される。

また、環境省が示す暑さ指数において28~31℃は「すべての生活活動でが起こる危険性がある」とされている。

 

アスリートのパフォーマンス低下

著しく暑い気候は、選手の負担となり記録や競技結果に大きく影響する。もちろん、人間に限ったことではない

 

競技スケジュール

猛暑の時間帯を避ける為に、早朝や深夜帯までスケジュールを設けることになり、選手やボランティ等に負担を強いることになる。

屋外競技のマラソンのスタート時間を例にすると、

当初:7時30分

見直し:7時00分

更に見直し:6時00分

と、当初の構想よりも1時間30分も早い開始となった。

 

ことの始まり


始まりは、2013年1月7日にオリンピック招致委員会及びが国際オリンピック委員会()へ提出した「立候補ファイル」まで遡る。

立候補ファイルとは、がオリンピック開催都市を決定するにあたり、各国がプレゼンテーションを行うための大会開催計画文書であり、その資料に以下の文章が記載されている。

「2020年東京大会の理想的な日程」
晴れる日が多く、且つ温暖であるためアスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候である

 

“理想的な日程”の理由


の主な収入源は放映権料である。

アメリカの放送局であるNBCは、アメリカ向け五輪放映権10大会分をから約1兆3000億円で取得している。

また、一般的に放送局は、視聴率の兼ね合いから五輪と他の国際的な大型スポーツイベントが同時期に開催されることを嫌う。

そして、2020年オリンピックと同じ年の7月12日までアメリカでは他の大型スポーツイベントを控えている。あとは推して知るべし。

 

専門家の声


東京大学 横張真教授

「過去のオリンピックにない厳しいレースになる危険性がある」

「観客の方がむしろ心配ではないかと思っている」

桐蔭横浜大学 星秋夫教授

「危険なのは選手よりもむしろ観客やボランティア」

「過去のデータから東京五輪での気温を予測すると36度前後と推測」

東京農業大学 樫村修生教授

「(研究の結果)新国立競技場など主な屋外競技会場で熱中症患者が急増する可能性が高い」

 

運営関係者の認識


・当初、競技会場においては飲み物の持ち込みは禁止としていた。

・国内競技団体より、ボランティアへ水やお茶を配布する案に対して「熱中症をより促進させる」と指摘された

 

暑さ対応策(都知事)


都知事による以下の先進的かつ効果的な対策案を検討している。

 

かぶる傘

都知事は記者会見で、暑さ対策として、かぶるタイプの傘を試作していると明らかにした。

出典:共同通信社

 

・打ち水

都知事は、打ち水イベントに参加し、暑さ対策の一環として、江戸由来の「打ち水作戦」を活用する意向を示した。

出典:日刊スポーツ

 

・かち割り氷

知事記者会見より

「日傘やかち割り氷を首に巻くとか、アナログな方法だけれど効果があるものもある。これらも参考にしながら、暑さ対策を考えていきたい」の記載がある。

 

遮熱性舗装

は、路面温度を下げるとされる「遮熱性舗装」を道路補修も含めて2019年度までの5年間に約300億円を投じ、マラソンコースなど都道136kmに整備する計画である。

ところが、日本スポーツ健康科学学会での発表において、路面温度は下がるものの、路面から人の高さにおいては、通常のアスファルトより2.6度上回り、気温と湿度・日射量などから導くWBGT(暑さ指数)も1.3度高くなる事が分かった。また、赤外線は20倍、紫外線は4倍も高く、皮膚や目の病気に繋がる可能性も示唆された。

この結果を受け、建設局は「試走したランナーも走りやすいと言っている」と述べ、整備の見直しは行わず、さらなるのリスクを高めることに前向きな姿勢を見せた。

出典:東京新聞社「暑さ防ぐ舗装 逆効果 路面10度低下も気温は2度上昇

 

暑さ対応策(国や組織委など)


国や大会なども負けていない。度重なる議論と調整により打開策を講じる。

 

ペットボトルの持ち込みOKの大英断

一定条件下で観客のペットボトルの持ち込みを検討していることを明かした。警備やの兼ね合いもあり、慎重に協議していくとコメント。

 

大会公式暑さ対策商品全34種を発売

ポシェット付きハット(税別3900円)や水にぬらし首に巻くと冷却効果を感じられるアスコットタイ(税別1500円)などがある。

ちなみに、収益に余剰金が発生すると組織委員会に60%、IOCとJOCに20%ずつ分配される。

 

サングラス着用を推奨

競技会場周辺などを担当する民間警備員のサングラス着用を推奨することを決定。価格は700円程度。暑さ対策は死活問題の筈だが金は取る気である。

出典:朝日新聞社 検討中のサングラス

 

小物グッズ大作戦

五輪に向けたテストイベントで暑さ対策の試行を行い、本番の大会に活かす。ビーチバレーでは、テントや大型ミストを置くほか、扇子や保冷剤を配る。ボート・カヌーではミストやテント設置に加え、紙製の帽子を配る。マラソンでは、コース付近に休憩所を設置するほか、手動の小型扇風機や砕いた氷などを配る。

 

新潟の雪を配る

で、豪雪地で知られる南魚沼市から雪を自然エネルギーとして活用した暑さ対策の提案があり、東京オリンピックを機に雪国の魅力を世界に発信しようと、市内の保管場所で保存した雪を東京で開かれたビーチバレー大会の会場に持ち込むなど同様の取り組みを既に始めている。

出典:さいたま市

 

・アサガオの鉢を並べる

暑さ対策として、体温を下げる効果は無いが手荷物検査場にアサガオの鉢を並べる。大会は「何でも試す」と述べているが、体温を下げる効果は無い
 

出典:確認中

 

なお、アサガオの育成は子どもに無償で行わせる。アサガオの鉢には子ども達からのメッセージカード付きで、彼らの協力こそが紛れもないおもてなしであり、暑さ対策として計画を行ったのはあくまで大会である。

出典:「五輪へ花開け 特別支援学校児童が協力」,『読売新聞』,2019年5月25日,朝刊,p.30

ビーチバレーのワールドツアー東京大会において、育成されたアサガオが設置された様子
ビーチバレーのワールドツアー東京大会に設置されたアサガオ

出典:五輪テストイベントで暑さ対策検証 朝顔の鉢植えで「視覚的にも涼しく」,『スポニチ』,2019年7月25日

 

90度のサウナで鍛える

が公表した選手向けの暑さに対する予防指南書「BEAT THE HEAT(暑さに打ち勝て)」において、10項目の具体的な対策が述べられている。その中で、40~42度の入浴や70~90度のサウナの利用なども有効法として紹介されている。

出典:「BEAT THE HEAT」より抜粋

 

人工雪を降らせる

大会は、カヌー(スプリント)のテスト大会で、暑さ対策として降雪機を使い、氷の柱を粉砕して雪を降らせることを明らかにした。

出典:2019.09.14 WBS「人工雪で暑さを防げるか?五輪カヌー会場で実験! 」より

しかしながら、テスト大会の結果、気温・暑さ指標(WBGT)ともに使用前後で変化は無く、組織委は「空気全体を冷やすものではなく(肌に)当たって清涼感を与えるものだと考えている」と見解を示した。

 

開催地を東京から札幌へ


特に暑さ対策が懸念されるマラソン・競歩について、2019年10月16日、は競技会場を札幌に移すことを検討していると発表した。

 

1964年のオリンピック


1964年の東京オリンピックの開催月は、比較的涼しくて湿度も低い10月であり、開催期間の10月10日から10月24日において、最高気温は23.2度、最低気温は9.6度であった。

また、開会式当日は前日の雨模様の天気が一転し朝から絶好の天気に恵まれたことが記録として残っている。

気象庁の発表によれば、東京で10月10日に1mm以上の雨が降った回数は、昭和41年から平成30年までの52年間でわずか9回である。1964年の日程は、当時の主催関係者達が、こうした気象予測等も十分に考慮し、検討を重ねた上で決定したものであることが伺える。

 

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投稿者:一般国民
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【まとめ】開催中の暑さ問題”のコメント(7)

  1. アバター 匿名 さん

    屋内競技はエアコン効かせれば良いが、屋外競技(特に長時間に及ぶ持久系種目)は熱中症で死の危険すらある。 まるで、選手たちは命を賭けた特攻隊員。お国の経済効果のためのオリンピックで死ぬなよ。 

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